
働き方が大きく変わりつつある昨今、
「雇用されない働き方」であるフリーランスや個人事業主として働く人が増えています。
これまで労災保険は、主に「雇用される労働者」を対象にした制度でしたが、2023年より、こうしたフリーランス等の方々にも新たに「特別加入制度」の対象が拡大されました。
今回は、特別加入の制度と、改正点についてお話したいと思います。
1 「特別加入」とは?
労災保険は本来、
企業などに雇われている労働者が業務中や通勤中に負傷したり病気になった場合に保証する制度ですが、
一部の自営業の事業主なども「特別に加入」できる仕組みが用意されています。
これが、「特別加入制度」です。
もともと、「特別加入制度」は以下のような方々が対象でした。
・中小企業の事業主等
・一人親方(建設業など)
・自営業の運転手など
今回の制度改正では、この特別加入の枠に、
「フリーランスとして業務に従事する方」が
新たに加わったのです。
2 どんな人が対象になるの?
厚生労働省によると、
特別加入が認められるのは、次のような働き方のフリーランスです。
・請負契約や業務委託により、継続的に対価を得て業務を行っている
・事業者性が低く、労働者に類似した働き方をしている(業務時間や場所の指定、指揮命令などがある)
例えば、以下のような職種の方が想定されます。
・webデザイナー
・ライター
・配達員(ギグワーカー)
・通訳・翻訳業
など
対象かどうかの判断は、
実際の業務内容や契約条件
をもとに判断されます。
3 受けられる補償の範囲
特別加入が認められると、通常の労働者と同様に以下の補償が受けられます。
・業務中のケガや病気に対する療養補償給付
・働けなくなった場合の休業補償給付
・障害が残った場合の障害補償給付
・万が一死亡した場合の遺族補償給付
など
また、加入自体は任意ですが、
事故が起きてからでは加入できません。
必要性を感じた時点で早めの手続きが必要です。
4 申請の流れ
特別加入の申請をするためには、
原則として労働保険事務組合を通じて手続きを行う必要があります。
具体的には
最後に 安全に働くための「保険」という備え
フリーランスは自由度が高い一方で、
トラブルや事故に見舞われた時の補償が手薄になりがちです。
今回の制度改正は、
「雇用されない働き方」でも、
最低限の安全網を確保するための大きな一歩と言えるでしょう。
自分の働き方に合わせて、必要な補償を検討するのも、
現代の”セルフケア”のひとつ。
フリーランスの方も、ぜひ一度、労政保険特別加入の検討をしてみてはいかがでしょうか?
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000146813.html
https://www.jisha.or.jp/information/news/2023/0405.html
https://www.mhlw.go.jp/content/000969218.pdf
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